万年筆インクの話です。あなたは古典インクという名前聞いたことがありますか?
古典インクは、古典BBや没食子(もっしょくし)インクとも呼ばれます。

私は以前ブログでも書いたように万年筆をよく使います。

古典インクとは、鉄の塩と植物由来のタンニン酸から作られた黒紫色もしくは黒褐色のインクのことです。
没食子(もっしょくし)インクとは、植物由来のタンニン酸がこの没食子(ブナや柏の木にできる虫コブ)から製造されたので、この名前がついたようです。古典インクといえばこの没食子インクをさします。

古典BBは、このインクの色ブルーブラックの頭文字をとってこう呼んでいます。
どちらかといえば代用没食子インクに使われているかな?
この辺は曖昧です。詳しい方がいたら教えてくださいね。

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没食子インクは、ヨーロッパでは筆記用及び描画用のインクとして、5世紀から19世紀にかけて一般的に使っていたそうです。
このインクは、化学反応でインクが乾くと紫黒色(ブルーブラック)になり耐水性と耐久性が増します。その特性を使い、聖書や公文書に使われていました。

昔は、つけペンが一般的でしたので、この没食子インクが広く使われていました。
欠点をいえば、このインクは腐食性が強いので万年筆には不向きでした。ペン先が錆びて使えなくなるからです。

そこで万年筆が使われるようになると、代用品として同じ色合いのインクが開発されました。
ペリカン万年筆やパイロット社、そしてラミー社のBBインクが有名です。

ダイヤミン社のレジストラーズインクやローラー&クライナー 社のスカビオサなどは、昔ながらの古典インクを作っています。

日本でも購入出来ますがとても扱いが難しいインクです。
放置するとすぐにインクが固まってしまうし、ペン先を洗浄しないとペンが傷みやすそうです。

そのような歴史的背景があるので、現在でも紫黒色(ブルーブラック)は公文書に使える万年筆インクとして認められています。

私は、一番手に入れやすいパイロットの代用没食子インク(今ではこれも古典インクといいますね)を使っています。

いまなら耐水性や耐久性に優れた顔料インクがあるので、万年筆よりボールペンを使えば良い話かもしれないですけど。

個人的には書いたあとのインクの色が変化するところと、文字が書き手のくせにあわせて変わるところが、万年筆のよさと思うのです。

だからこれからも使って行くだろうなぁ(笑)

本日は万年筆用インクの話でした、
それではまたね。

2016/12/05追記:
ペリカンのBBインクは古典インクでは無いですよと御指摘を頂きました。現在インターネットでペリカンも古典インクと紹介されている所もありますので、自分でも確認したところ古典インクと言い切れないみたいな返事です。

2016/12/06日に、ペリカン社のHP問合せフォームからメールを送ってみました。まだ返事が来ないですがあればその後をブログで追記します。

2016/12/07日追記:
ペリカン社のHPに問い合わせた返信メールが届きました。日本のペリカンジャパン社を通して、日本語訳の回答です。全文をそのまま掲載します。
ペリカン社さんの迅速かつ丁寧な対応に、一言お礼を申し上げます。

===メール本文===

江村 様

平素よりペリカン製品をご愛顧頂きまして誠に有難うございます。
頂きましたお問い合わせにつきましてドイツから次の回答を得ておりますので御案内申し上げます。

The water resistance is one part of the test of document proof. In this way, the water resistance of our inks is the best with Scribtol, then Fount India and then 4001 blue-black. However, water proof does not mean that the ink will not smear if you spill water over the document or you put the document in water. If this is the definition of water resistance, we have to admit that none of our inks is water proof.

上の文章を要約させていただきます。

耐水性は文書の保存性テストの一部です。ペリカンのインクの中では「Scribtol」が最も耐水性が高く、続いて「Fount India」そして「4001ブルーブラック」の順になります。しかし耐水 性とは、文書に水をこぼしたり、文書を水の中に浸したりした場合でも文字が消えない事を意味するわけではありません。 文書に水をこぼしたり、文書を水の中に浸したりした場合でも文字が消えないことを耐水性の定義とするならば、ペリカンの上記のインクはどれも耐水性がないと言わざるを得ません。

以上となります。
宜しくお願い申し上げます。

===以上===

古典インクと言われているインクであっても、文字が水で消えないことを保証するものではない。
と言うことになるのかなと解釈しました。
最も耐光性と耐水性に優れているインクは、ペリカンのインクだとScribd ペリカンインクになるようです。

但し万年筆には使えませんよ。

 

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投稿者 oldmusashino

「万年筆インクの話|古典インクって何ですか」に6件のコメントがあります
  1. ペリカンは没食子ではない。確認しましょう。1週間後の水流で消えました。ペリカンジャパン
    も古典あるということはできないそうです。確認しましょう

    1. mot ya さま
      御指摘いただきありがとうございました。文章を修正します。
      ご訪問頂きありがとうございます。

      むさしの整体療術センター 江村

  2. ペリカンの染料BBは一般的に古典ブルーブラックと現在呼ばれるインクに分類して問題ありません。これはPH値を計ってみることと、実際の退色の状態から確認できます。
    あからさまに酸性に傾いていますし(だから腐食の注意喚起を公式サイトでもしています)、退色と共に黒色になっていきます。
    ただ、仰る通り、遠い昔からある古典インク(没食子インク)とは違います。本来の没食子インクはそもそも万年筆で使えるような代物ではありません。すぐにペンが壊れるだけです。
    万年筆で古典ブルーブラックと呼ばれるインクは要するに仰る通り代用没食子インクの事です。
    万年筆が作られた初期の頃に、万年筆で書いた文書でも、退色による文字の消失を防ぐために、ペリカンのBBのようなPH値調整(出来るだけ酸性度を下げた)の調合をしたインク全般の事を万年筆の世界では古典インクと呼んでいるのです。
    因みにパイロットのBBは現在は普通の染料インクに現在切り替えられており、私の知る範囲で、現状でもこの代用没食子インクのBBを作っている万年筆メーカーは日本ではプラチナ、海外ではモンブラン、ペリカン、ラミーくらいです。
    古典インクは最終的には酸化した鉄の黒が残る訳ですが、酸化する前から書いた字が見えないと意味がないためブルーの染料を使ったのが万年筆のブルーブラックの始まりです。
    まあ、正直な所、書いた時に字が読めれば青の染料でなくても良かったと言えば良かったのでしょうが、最初に青で作ってしまったので、そのまま定着してしまったようです(当初、万年筆では使えなかった顔料で作れる黒インクと区別出来ることや、退色しても良いなら色も割と無難で費用も手ごろな染料だった事も影響しているのでしょう)。
    ただ、染料は昔に比べれば非常に強くなりましたが「絶対に退色しない染料」は現在まで作れていません。
    退色による文字の消失を防ぐ方法は、今では万年筆用も出てきた顔料インクを使うか、代用没食子インク(いわゆる万年筆の世界での古典インク)を使うしかないのも事実です。プラチナは、今ではブルーブラック以外の古典インクや顔料インクも出していますね。
    とかいいつつ、私は普段はセーラーのブルーブラック(つまり普通の染料インク)を使っているので、ある意味「なんちゃってBB」な訳ですが(笑)

  3. すいません。二か所間違いがありました。
    ①「因みにパイロットのBBは現在は普通の染料インクに現在切り替えられており、」→「因みにパイロットのBBは現在は普通の染料インクに切り替えられており、」
    ②「因みにパイロットのBBは現在は普通の染料インクに現在切り替えられており、私の知る範囲で、現状でもこの代用没食子インクのBBを作っている万年筆メーカーは日本ではプラチナ、海外ではモンブラン、ペリカン、ラミーくらいです。」→「因みにパイロットのBBは現在は普通の染料インクに現在切り替えられており、私の知る範囲で、現状でもこの代用没食子インクのBBを作っている万年筆メーカーは日本ではプラチナ、海外ではモンブラン、ペリカンくらいです」。
    癖でラミーをまだ書いてしまいました。因みにモンブランも一応まだ市場古典ブルーブラックに出ていますが、間もなく古典ブルーブラックは無くなる発表がされています。
    もう、プラチナとペリカンだけになりそうです(残念)

    1. キリロス さま
      コメントを確認するのが大変遅くなり失礼いたしました。
      キリロスさまも万年筆愛用者さんなんですね。
       
      古典ブルーブラックインクが無くなっていくのは寂しいですね。
      いまは万年筆より水性インクのペンを使う人が殆どですから、これも致し方ないのでしょう。

      最近、パーカーの「パーカー・IM 」というシリーズを使ってみました。
      これはペン先は万年筆の形状なんですが水性インクの替芯付きの水性ペンなんですよ。

      形はパーカー万年筆そのものなんですけどね。
      もしかすると、今後は他の万年筆メーカーもこんな商品を出してくるかもしれませんね。

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